<米大統領選挙はバイデン勝利でドル円は?>
米大統領選挙はバイデン候補の勝利確実となっていますが、ドル円はバイデン氏の勝利からリスクオンのドル安となり、上値の重い展開がつづいています。
ただトランプ大統領が複数の州での不正行為を主張し法廷闘争も辞さない構えで103円付近では底堅い展開となっています。
一方、上院で共和党が過半数を取れたことは、市場では民主党の掲げる増税路線の後退と受け止められ、特にハイテク株のナスダックを中心に米国株が上昇し、これもリスクオンのドル安を促す格好となっています。
またコロナの影響で量的緩和を行っているためドルの絶対数が増えている、つまりドルを刷って市場に流している状態なので、更にドル安に傾きやすい環境となっています。
このためドル円は、緩やかながらもドル安の流れは変わらず、101円近辺もターゲットになってくると思われます。
ただ今の現状は、リスクオフの投げ売りの円高ではないため、一気に円高が加速する展開は想定しにくく、多少上下動を繰り返しながら、ゆっくり円高が進んでいくとみるのが自然な流れとみることもできます。
一方、真冬の到来を控え、英国を含め、欧州のコロナ第二波の本格化も鮮明になり、英仏独のロックダウンがすでに再発動され、感染者や死亡者の上昇が春の第一波を超えているだけに、米ドルの対極としてユーロや英ポンドがそのまま買われていく展開も想定しにくいと思われます。
そのユーロドルは2020年年初来高値更新に迫る勢いですが、ここからの上値おいには上記のこともあり警戒が必要です。
その意味ではドル円は、これから円が買われても、さらに安値更新していくとは限らない可能性もあります。
またドル円の現状の動きは、円安の動きはほとんど見られないなどの偏りもあり、ドル円の下値はそろそろ限界に近いとみている向きもあるようで、目先103円付近での自律反転が始まるか注目されます。
いずれにせよドル円は、コロナの影響で付けた今年の最安値101.17円をターゲットに下落の可能性も考えられますが、前記したようにリスクオンのドル安のため多少の上下動を繰り返しながら年初来安値更新も射程圏内に入ったとみることもできます。
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